マップ 報告書 掲示板 リンク 雑記帳
このサイトについて お問い合わせ
 
内大臣森林鉄道・幹線 No.05
調査報告書一覧 > 報告書 No.01 / No.02 / No.03 / No.04 / No.05

調査実施:2005年4月 報告書作成:2005年6月12日
       

Cブロック

 このブロックの幹線軌道跡は、ほぼ全て拡張され内大臣林道となっている。地点より始まる内大臣林道は県境の椎矢峠を越えて宮崎県の椎葉村まで通じており、位置的に九州の中央付近になるためか「九州横断林道」と称される。
 

 内大臣橋の下を通過してきた軌道は地点あたりで林道と合流すると思われるが、現場に痕跡などもなく資料もないので正確にはわからない。国土地理院発行1/25000地形図で見る限り、地点あたりで合流していると予想した。地点から地点間は特に軌道の痕跡を見ることはない。この区間から林道は急斜面の山肌を走ることになり、左手の下方に緑川が見え、随分と登ってきたことを実感する。道は次第に南へと向きを変え、内大臣川が作る深い谷に沿うようになる。

 地点には内大臣川上に角上(かくあげ)橋が架かっており、林道は川の西岸から東岸へ移る。この角上橋周辺は内大臣森林鉄道で最長の支線である鴨猪谷(かもししたに)支線への分岐点でもある。ここの分岐点については、鴨猪谷支線の報告書にて詳細にレポートしたい。注意して見ないと分からないが角上橋から数十メートル進んだ路面に、等間隔に並んだ枕木が顔をだしている。唯一路上に残る軌道の痕跡だ。この周辺の杉林の中には石垣などが残っており、集落があったことが想像できるが、資料などの裏付けがなく断定はできない。しかし熊本バスの「角上」バス停の標識というか看板は確認できているで、その可能性は高い。もちろん現在では内大臣林道沿線に人は一人も住んでいない。


地図をクリックすると別窓で表示できます。

  
 
 内大臣川東岸の林道を上流へ向けて進むと、チッソ株式会社の目丸発電所手前で再び橋を渡り西岸に戻る(地点)。左手にチッソの発電所をみながら進む軌道跡は、両岸を高い崖で挟まれた狭い峡谷になり険しさを増す。地点では西内谷から内大臣川へと支流が流れ込んでいる上を橋で渡る。その林道の橋の下に、森林鉄道時代のものと思われる石組みの橋台を見つけた。この付近に幹線から西内谷支線への分岐があるはずだが、まだ発見できていない。西内谷支線は鴨猪谷支線に次ぐ規模と思うが、「鉄道廃線跡を歩く]」(JTBキャンブックス)でも触れられておらず詳細はわからない。ただ「九州の沢と源流」(吉川満著・葦書房)では西内谷の沢に軌道跡があるという記述がある。今後調査をしたいと思っている。
 
  
 
 地点より間もなくで内大臣事業所跡に到着する。ここは内大臣の木材を切り出すための基地でもあり、当時は大きな集落があったという。小学校もあり、現在でもその痕跡を見ることができる。この事業所跡から東側へ、小松谷支線が短いながらも延びている。その支線のものと思われる橋が小松谷神社へ続く歩道の一部として残っている。この事業所跡には大規模なインクラインがあったとされているので、この周辺の詳細な調査も今後の課題(楽しみ)としたい。内大臣森林鉄道の幹線はこの事業所跡で終点(始点)となるが、もう少し上流へと延びていたといわれている。林道自体も宮崎まで延びている訳だが、現在(2005.6)内大臣林道は道路崩落により、地点で通行止めとなっている。
 
  
 

幹線・最後に

 内大臣森林鉄道・幹線について、現時点で調査が済んでいる部分は以上である。内容が薄く、がっかりされた方もいると思うが、今後も関係各所への取材、現地調査は継続していくので今しばらく待ってもらいたい。新しい事が分かり次第、や新規で報告する。
 

 
調査続行中